7/25 ひとりごはん、そして【凍てつく月】
今晩はひとりでごはん
小柱とニラのチヂミをポン酢とコチュジャンで
スイカ
牛乳寒天...三温糖を使うと白くならない😅
本当はひとりだと何もしたくない、そんな感じ😣
まだまだ片づけものをしている
脚本を勉強してた時の資料や原稿が山積み😞
ざっと目を通してから処分するつもり
自分でも忘れてた懐かしい原稿のうちからショートストーリーを1つ
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【凍てつく月】
マンモスを仕留めた。長老のワシでさえ初めて見る大物だった。この冬はひもじい思いをしなくてすむ。幸いなことだ。
しかし。深傷を負ったワシは今夜一族の者達と決別せねばならない。それが代々受け継がれた掟だ。
辺りは薄闇に包まれ、東の空から月が上りはじめる。ほう、見事な満月だ。
「長(おさ)こんなんでいいのかい?」
ケンが焚き火のそばの凍土を柔らかくほぐし毛皮を敷いてくれた。「ああ、十分だ。」
ワシは頷いてその上に身を横たえる。
思慮深い目をしたこの若者に、ワシは持てる知識を全て授けた。これから立派な長になり、一族を守ることだろう。
男達が小さな祭壇を祀り、女達が酒を運んでくる。末代までの繁栄を祈願し、最後の酒を酌み交わす。幼子が少しの干し肉と一抱えの薪をワシの膝元に置く。ワシは幼子の頭に手を載せ祝福を与える。
それにしても。肉はともかく、薪はもう少し欲しいものだ。立ち枯れた林の奥からオオカミの遠吠えが聞こえる。炎が消えたら奴らはー。
満月が上空に移動し、シャンシャンとそりにつけた鈴の音が遠ざかって行く。列のしんがりを行くケンが名残惜しげに振り返る。いいのだ、ケン。こうやってワシらは生きてきたのだ。
そういえばワシ自身も幼い頃、わずかな薪を老人に残したことがあった。
オオカミが近づいてくる。気配で分かる。終わりは必ず来る、それだけのことだ。
いきなり石礫が飛んだ。オオカミがギヤッと悲鳴をあげて退散する。一台のそりが戻ってくるではないか。
ケンか? どうしたんだ、これは代々守られてきた一族の掟だ。
ケンはニヤッと笑って言った。
「新しい掟はおいらが作る。」
ケンは軽々とワシを抱き抱えてそりに乗せた。いつの間にこんなに逞しくなったのか。
「さあ行こう、長。」
果てしなく続く氷原。滑り出すそりを、満月が煌々と照らしていた。
おしまい😜
読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m
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