11/28 父が吠える 友達への手紙③
夕ごはん
パスタ
カリフラワーのサラダ
りんごとオレンジ
ベランダの最後の収穫
赤くならないトマトはパスタソースに入れ、バジルも散らした
パセリはサラダにトッピング
今日のブランチ
マンゴースムージー
フライドアップル
・
・
・
友達への手紙 ③
ここで父のことに触れようと思う
幼い頃もうひとつ怖かったのは父が吠えることだった
朝洗面所で「うぉおおーっ!」と父が吠えるのだ
時には「ばかやろーっ!」と汚い言葉が出ることもあった
長い間意味不明だったが、高校生になってある日自分も吠えていることに気づいた
父は、忙しい仕事の合間に、模型飛行機を作ったり、趣味の写真を現像したり、本を読んだりと、
1人でやる事柄が好きだった
(たぶん私も同じ)
人づき合いが苦手で、仕事関係の宴会があっても何も食べずに早々に帰宅して、よく母に嫌味を言われていた
親戚の集まりで「兄ちゃんがひどいことを言った」と叔母が泣き出したことがあった
叔母はこの日のために縫った膝丈のスカートを穿いていた
それを見て父は「お前脚が太いな」と言ったらしい
後で母に、冗談のつもりだったと言って、あんなのは冗談じゃない!と叱られていた
基本人の集まるところは避けていて、後年お通夜やお葬式等も母が代理で出席した
そう、吠えること
子供時代は恐怖だったのに、私も高校生になって吠えるようになった
私の場合は、夜蒲団に入ってからだったけど
高校1年の時、〇〇ちゃんに会ったんだよね
付属中学からの人は皆、市立中学出身者とは全然違って、同じ制服のはずなのにずっと垢抜けて見えた
中でも〇〇ちゃんと**さんは抜きん出ていた
2人共長い髪の美人で、廊下にいるとそこだけ花が咲いたようだった
すてきだなぁ!と心から思った
たまたま隣のクラスで、身長も同じくらいだったから、2クラス合同の体育の授業では球技等を一緒にやった
あの頃は有頂天だったんだよ
憧れの〇〇ちゃんと友達になれて
だけど、私は父の娘だった
嬉しくて、でも照れくさくて、緊張して、頭が真っ白で、
クラスメイト達がダジャレやきつめの冗談を連発していたから、
そしてそういう人達が人気だったから、
そんなノリで、
「〇〇ちゃんって口が大きいよね」なんて、
去年温泉で〇〇ちゃんに言われるまで忘れていたけど、
(いや、忘れたことにしたかったのだ)確かに言った
美人だなぁ、ステキだなぁ、と思っているのに「口が大きい」なんて言葉がどうして出たのだろう
話は逸れるが、
受験勉強してる時に、
have butterflies in one's stomach
というイディオムに出会った
腹の中に蝶々がいる、すなわち緊張する、という意味だが、
私は妙に納得した
身体の中に空洞があって蝶々がたくさんいる
1人でいる時は眠っているのに、
人と会うと急にバタバタと騒ぎだす
実は昔父も言ったことがある
「腹の中に虫がいる」と
父も私も、
人と会い、人と話すと腹の中の蝶々が騒ぎだして大失態をしてしまう
父は洗面所で、私は蒲団の中で、いても立ってもいられなくて吠えるのだ
相手に対する申し訳なさ、自分に対する腹立たしさ、恥ずかしさ...
何種類もの感情が一気に押し寄せて、結果吠えるのだ
黙っていよう、と思う
それしかない
人の間の沈黙の重い空気も苦手で、ついつい口を開いてしまう傾向があるが、
それをぐっと堪えて黙っていようと思う
ただ顔はニコニコして、
言葉を減らせば、失敗も減るはず
何日も考えたわりには、シンプルな結論だけど、
長くなった手紙もそろそろ終わりにしようと思います。
読んでくださって、ありがとうございました。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。